SAMBOA BAR
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Column
スタッフやお客様から寄せられた、 自由なコラムです。 どうぞ、ごゆっくり。

▼ No.8
「大人の世界への誘い」
北澤 克史
▼ No.7
「呑み人のひとりごと」
山本 紀史
▼ No.6
「ただいま!」
塩浜 幸枝 (中田マル子)
▼ No.5
「酒はかくして・・・」
寺田 農 (俳優)
▼ No.4
「一杯のウイスキー」
武部 好伸 (エッセイスト)
▼ No.3
「我が青春痛飲、事始め」
湯淺 隆 (ポルトガルギタリスト)
▼ No.2
「ヴェネツィア 〜永遠と一瞬〜 」
黒田 勇 (関西大学教授)
▼ No.1
「捨て去るもの。守り続けるもの。」
新谷 尚人 (北新地・銀座サンボア)
「大人の世界への誘い」北澤 克史

「Bar」という言葉の響きには、年代によって異なるものがある。

幼少時代には、何かいかがわしい響きがあった。 自分の父親を含む大人の男性が、隣に女性を侍らせてお酒を飲む場所と思っていた。  完全に間違った解釈をしていたが、大人がお酒を飲む場所ということは、完全に理解していたようである。

その後年齢を重ね「Bar」という場所jが、どういう形態でお酒を飲む場所かということを完全に理解したのは、大学生になった頃であろうか?

ただし、お金の無い貧乏学生には、憧れはあっても実生活には、全く無縁の場所であるのが、「Bar」であった。 

背伸びをして「大人ぶりたい」年頃であったから、時々、アルバイトで小銭が入った時に、足を運んでみたいとは思ったが、酒の味も分からず、嗜み方も分からない青臭い貧乏学生には、全く不似合いの場所で、結局臆してしまい一度も足を運ぶことはなかった。

実際に生まれて初めて「Bar」という場所に足を運んだのは就職し会社員になり、自分自身でお金を稼ぐようになってからである。

ただし、その目的は不純で、付き合っている女性に「こんなお洒落で、大人の場所を知っていますよ。」とアピールしたかったからである。

当時(バブル経済の初期)は、色々なグルメ本が出始め、「Bar」について記載されているものを購入し、貪るように読んだものである。

今思えば、スーツに着られている「若僧」が、背伸びをして「Bar」で、知ったか振りしている飲んでいる姿は、周囲の大人の紳士の眼には、奇異に映ったことであろう。 おそらく、嘲笑の的だったに違いない。

  四十歳を過ぎ、既に中年の域に入り、やっと「大人のお酒の嗜み方」を理解できた現在(まだまだ勉強不足ではあるが。)、仕事帰りに一人で2・3杯のハイボールを嗜み、心地良い酩酊気分で「Bar」を後にし、家路に着く自分の姿に、やっと大人の世界に踏み入れることができたことを実感するとともに、成長を感じる今日この頃である。

そんな私の姿を見て、人生の大先輩である周囲の老紳士達は、どのような目で見て、どのように声をかけてくれるであろうか?

「時間は掛ったけど、やっと大人になれましたね。これで一人前です。」

それとも

「貴方、まだまだ板に付いていませんよ。 半人前ですからもっと勉強しなさい。」と言われるであろうか?

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