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 先日来、司馬遼太郎先生の「坂の上の雲」を読み返している。コサック騎兵を撃破した陸軍騎兵の始祖、秋山好古、日本海海戦の名参謀、秋山真之兄弟と近代短歌・俳句の祖、正岡子規の物語である。

 その中より真之の(司馬先生の)言葉、抜粋。

  「たとえば軍艦というものはいちど遠洋航海に出て帰ってくると、船底にかきがらがいっぱいくっついて船あしがうんとおちる。人間もおなじで、経験は必要じゃが、経験によってふえる知恵とおなじ分量だけのかきがらがあたまにつく。智慧だけ採ってかきがらを捨てるということは人間にとって大切なことじゃが、老人になればなるほどこれができぬ」

 「・・・もう海軍とはこう、艦隊とはこう、作戦とはこう、という固定概念(かきがら)がついている。おそろしいのは固定概念そのものではなく、固定概念がついていることも知らず平気で司令室や艦長室のやわらかいイスにどっかとすわりこんでいることじゃ」

 サンボアの80余年のかきがら落としはわれわれの急務ではないか。バーとはこう、バーテンダーとはこう、サービスとはこう、と「やわらかいイスにどっかとすわりこんでいる」ようではサンボアに未来は期待できない。21世紀を迎え、われわれサンボアに課せられた、最優先に対処すべき重要な課題である。反省と同時に、司馬先生の叡智にただただ感服する。

 

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