ずいぶん前のこと。お客様から推薦されて「宝島」を読んだ。真藤順丈の作品だ。Amazonのサイトから引用する。
「第9回山田風太郎賞&160回直木賞受賞!&第5回沖縄書店大賞受賞! 希望を祈るな。立ち上がり、掴み取れ。愛は囁くな。大声で叫び、歌い上げろ。信じよう。仲間との絆を、美しい海を、熱を、人間の力を。【あらすじ】英雄を失った島に新たな魂が立ち上がる。固い絆で結ばれた三人の幼馴染みーーグスク、レイ、ヤマコ。生きるとは走ること、抗うこと、そして想い続けることだった。少年少女は警官になり、教師になり、テロリストになり、同じ夢に向かった。」
ずいぶん心を揺さぶられた。沖縄の本当の怒りを改めて思い知らされた。はらわたをえぐられるような悲しみと怒りを覚えた。沖縄の本当の悲しみを改めて思い知らされた。多くの日本人が読むべき小説だと思う。
ここからはひねくれものの私の考えだ。真藤順丈が直木賞をとったとき、新聞では掲載されていたものの、私の記憶ではテレビの情報番組(?)などの番組では出演どころかあまり話題に上がらなかったような気がする。真藤順丈自身が拒んだのかもしれないが、本来なら直木賞や芥川賞が決まるとテレビ画面に作家が露出される機会が多くなるはずだ。先ほども言ったが「多くの日本人」が読むべき小説で本当の沖縄を知る機会になる本だと考える。ではなぜマスメディアはスルーしたのか。戦後沖縄の真実、沖縄県民の苦難を広く国民に知られたくない誰かの圧力なのか。時は安倍政権。
その「宝島」が映画化される。この類稀な小説を、どう映像に落とし込むのか。役者はこの本を私たちにどう伝えるのか。2時間弱で伝えることができるのか。不安もあるが期待してぜひ見たいものだ。そして多くの日本人の目に触れることを願う。もう安倍政権ではない。